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わせだマンのよりみち日記

2008.01.01

あの男の子とおじいさんはいま・・・

打合せで、ある博物館に向かう時のことです。

その博物館に行くには駅前のバス停からバスに乗ります。
学校が終わった帰りなのでしょうか、小学校1年生くらいの子が一人でバスを待っています。
ひとなつこい子のようで、目が合うとニッコリ笑ってくれます。
バスが到着すると、その子は一人でバスに乗ってきます。
発車してしばらくは窓の外をながめていたようですが、駅前の商店街を抜けて、
のどかな風景の中を走る頃には、首が傾いてしまっています。
椅子から転げ落ちそうな格好で寝てしまっているので、首から提げた定期券が床に届きそうです。
車内のおばちゃん達はあら、あら、などと言いながら心配そうに見ています。
私もついつい気になってしまいます。
もちろん、その子はお構いなしで、ついには天井を仰いで口を大きく開けて熟睡してしまいます。
バスは畑や郊外型の大型店舗の中を進んでいきます。
ちゃんと目的の停留所の前で目を覚まして、降りられるのかな?と心配になります。

ある停留所に近づくと一人のおじいさんがバスを待っていました。
バスが止まるとおじいさんは前方の後車口から入ろうとしています。
なんだろうと思っていると、運転手さんに挨拶をしながら乗ってきました。
小学生に近づくと「ついたよ、ついたよ」と、揺り起こしました。
ねぼけた様子で半分寝たままおじいさんに抱えられて、目をこすりながら降りていきました。

それが夏の事。その後、2回程その小学生に遭遇しました。
毎回、上向いて定期を引きずりつつ熟睡していました。
停留所でおじいさんが待っていて、バスに乗ってきて、抱えられて降りていきます。

その後、打合せも少なくなり、博物館に伺う時間もまちまちになって、会わなくなってしまいました。
あの子はまだバスで熟睡してるでしょうか?
おじいさんはバス停でまってるでしょうか?

博物館に向かうたびにどうしてるかな、と思ってしまうのでした。

 

Written by I