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わせだマンのよりみち日記

2019.03.24

純白、漆黒、赤レンガ。出張で出会った冬の風景。

少し前にこのブログで北海道東川町の取り組みをご紹介しましたが、その翌月にもこの町を訪れる機会がありました。一度目の訪問で感銘を受け、帰京後に関連書籍を2冊ほど読んでいたので、二度目は少し知識を付けた状態での訪問です。

一泊二日の日程だったので、宿泊の翌朝は早起きして街を散策することにしました。気温はマイナス10度を下回り、関西育ちの私にとってはまるで修行のような極寒だったのですが、それよりも驚いたのが積雪量。ちょっと記憶がないほど深い雪に囲まれて変にテンションが上がってしまい、汗がにじむくらい街中を歩き回ってしまいました。

仕事前の散歩ですから、お店はまだ閉まっています。お気に入りのフィルムカメラを首からぶら下げ、意外とたくさんあるおしゃれなお店を眺めながら歩くと、目の前には東川神社が。せっかくなのでお参りすることにしました。

使われている木材が黒っぽく、周囲も似た色合いの木々。真っ白な雪と好対照をなすその風景は、まるでモノクロのアート作品の中に迷い込んだよう。寒さを忘れ、夢見心地で、静寂な境内を何度も往復し、写真をたくさん撮りました。それをもとに描いてみたのがこちらのスケッチです。純白と漆黒だけで構成された氷の世界、柔らかそうな雪の雰囲気が伝わりますでしょうか。

なお、社殿の前には、本当に氷で作られている猪がいてビックリ。あとで役所の方にお聞きしたら、お正月に作られたものなのだとか。それなのに、この日(2月中旬)までまったく融けることなく、目鼻までクッキリ。東京とは段違いの寒さであることがよく分かります。

さて、翌週の出張先は北陸でした。これまで何度も見てきた石川県立歴史博物館の赤レンガですが、前週に見た東川神社のモノトーンが脳裏に残っていたのか、この日はいつもよりずっと鮮やかに感じました。これは写真よりも絵として残しておきたいと思い、出張後の週末に描いたのがこちらです。

この建物は、明治末期から大正にかけて建築され、当初は金澤陸軍兵器支廠の兵器庫として使用されていたそうです。その後、金沢美術工芸大学の校舎を経て、石川県立歴史博物館へ。国の重要文化財に指定されたのが平成2年ですから、ここから計算しても30年近くが経っているのですが、赤レンガの風合いは今も健在。歴史の重みを伝える一方、むしろおしゃれな雰囲気を醸し出しています。

2枚を並べてみると、赤と白でなんだかおめでたい気分? これから桜、新緑へ…と、美しい色彩に彩られる季節。こうして、各地で出会う「日本の色」は、超強行軍の出張の日程表に癒しのひとときを届けてくれるのです。