ミュージアムリサーチャー

ミュージアムレポート

学者さんも子どもたちも
どちらにも使いやすいデータベースを
ひとつのサイトで実現!

この3月にリニューアルした鹿児島県立埋蔵文化財センター様のデータベースでは、「簡単検索」に要注目です。
埋蔵文化財を、用途、時代、地域、文様、形、器種、地図と、7つの切り口から検索できるのですが、中でもポイントは「絵で探せる」機能を持たせている点です。

「テキスト」が一番検索しやすいとは限らない

①:TOP画像

②:用途から調べる

③:用途が分からない土器も… これなら誰でもひと目で分かる!

たとえば本などで見かけた土器について調べたい場合、特に知識がなければ「どう検索してよいのか分からない」ものです。文様や形状について具体的に説明できる方は、そう多くはありません。と言うより、他人に説明されたとしても、それが自分がイメージする土器に近いのかどうか、理解できない方が大半でしょう。
それなら、目で見た通りの情報で検索すればいい、という発想を採り入れたのが、この検索サイトです。❶の画面から❷のような用途から調べることもできますが、左の「簡単検索」をクリックすると❸の「単純にイメージに近い絵を選べばよい」検索画面が表示されます。これならどなたでも扱うことができそうですね。

 

このように地図を上手に使うと検索しやすさをアップできます

④:地図検索画面

⑤:詳細地図

高津区の事例と同様に、こちらも、「地図で検索」というページが用意されています。
❶の画面で地域をクリックすると、❺のように遺跡の詳しい地図が開きます。
拡大・縮小が自由にできて、(モノクロでは確認しづらいですが)遺跡のエリアが塗りつぶされています。その遺跡の規模なども分かりやすいですね。

 

もちろん一覧形式での表示も可能です

⑥:一覧形式での表示

⑦:詳細画面

もちろん、❻の通り一覧表形式で表示することもできます。どちらの方法でも、❼の詳細が面にたどり着くことができます。

ミュージアムは、分野によっては一般の方々には分かりにくい資料も多数あります。たとえば考古学系なら、ミュージアムに訪れる子どもたちがいかにも興味を持ちそうな遺跡や遺構、遺物でも、情報の「入り口」はとても専門的に見えてしまうものです。そんな時は、このように「最もとっつきやすい形」のカバーをかけてあげれば、敷居はグンと低くなります。

一見複雑そうなミュージアムのデータベースも、工夫次第でどなたにも楽しめるものにできる。そんな現状を教えてくれる好事例をご紹介しました。ぜひサイトにアクセスの上、使ってみてください。


鹿児島県立埋蔵文化財センター 埋蔵文化財情報データベース
http://www.jomon-no-mori.jp/kmai_public/