代表ブログ

わせだマンのよりみち日記

2021.04.28

偉人を知り、自分を見直せる顕彰系ミュージアムの魅力

#私的考察

写真は、高知県立坂本龍馬記念館の前に建つ龍馬像。昨年12月に撮影したものですが、私たち以上に厳重なマスクと手袋姿に、「みんなで頑張って新型コロナウイルスに打ち勝とう」という主旨のメッセージ。地元の誇りである英雄にそう言われては、土佐っ子たちも、もう一度気を引き締めざるを得ないでしょうね。

ストーカーにクレーマー、モンスター○○。自己中心的な行動を指す言葉が目立つようになったのは、平成後半くらいからでしょうか。自分を表現したり、意見を主張したりすることも大切ではありますが、それが相手や周囲に迷惑や被害が及ぼす行為となるなら、やはり話は別となります。「空気を読む」と言うよりも、心の中で自分と相手のバランスを点検しながら行動することが重要なのではないでしょうか。

名君と讃えられる藩主、明治維新を支えた志士たち、社会的弱者の救済に身を投じた人々。最近、歴史上の人物を顕彰するミュージアムを訪ねるたびに思うのですが、その名を冠したミュージアムが運営されるほどの偉業の足跡を辿ると、ほぼ必ず、根底に「公の心」があることを明確に感じます。ひとりでも多くの人々のために、自らの半生を費やす。その揺るぎない公徳心に、私たちは感動を覚えるのです。

人と人の間に生じるトラブルが増えているように感じる今だからこそ、社会のために人生を捧げた偉人を顕彰するミュージアムの展示が深く心に響きます。先人たちに「こんな日本を作るために頑張ったわけではない」と言われないように、そして次代を担う子どもたちが背中を見ていることも意識しながら、もう一度、自分自身の振る舞い方を見直したいものですね。

最後に、最近、仕事で学芸員に接する機会があった顕彰型のミュージアムをご紹介しておきましょう。このタイプの館は、いずれもお子様連れでの訪問に最適。「密」にご注意の上、ご安全にお出かけください。

 

高知県立坂本龍馬記念館(高知県)

1991年11月に開館、明治維新150周年にあたる2018年4月には新館もオープンした人気ミュージアム。中学生の時、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に触れ、その志に憧れたものです。いまは仕事でお邪魔するのですが、訪れるたびに気持ちが奮い立ち、活力がみなぎってくるのを感じます。

https://ryoma-kinenkan.jp

賀川豊彦記念・松沢資料館(東京都)

神戸で貧しい人々のために奔走し、その後は協同組合運動や関東大震災の救済活動に身を投じた賀川豊彦の偉業を顕彰する施設で、その活動を詳しく学べる膨大な資料を展示しています。兵庫県出身の私ですが、初訪問時は不勉強だったことを恥じるほどの衝撃を受けました。ぜひお子様と。

https://t-kagawa.or.jp/

久留島武彦記念館(大分県)

童話の里こと玖珠町のシンボルとして親しまれているミュージアムです。児童教育に力を尽くした「日本のアンデルセン」こと久留島武彦は、ボーイスカウトを日本に紹介した功績でも知られていますね。私も15歳の時にイギリスの国際キャンプに参加し、人生観が大きく変わりました。

http://kurushimatakehiko.com/