代表ブログ

わせだマンのよりみち日記

2022.07.06

本日、弊社は創立30周年を迎えました。

#ご挨拶#私的考察
創立30周年のご挨拶

平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申し上げます。

弊社は、令和4年7月6日をもちまして、創立30周年を迎えました。

博物館専業としてスタートし、業態を変更することなく無事にこの日を迎えることができましたのは、ひとえに皆様のご支援とご愛顧の賜物です。改めまして、日頃のお力添えに深く感謝いたします。

微力ではありますが、博物館界の発展に寄与できるよう、これからも全社を挙げて取り組んで参ります。今後も何とぞお願い申し上げます。

早稲田システム開発株式会社
代表取締役 内 田 剛 史


 

1992年から今日まで、弊社は一貫して「博物館専業」のシステム開発会社という立場を取ってきました。この時点ではまだWindows95もiMacも発売されておらず、のちに市場を席巻することになるPC/AT互換機、いわゆるDOS/Vパソコンが登場した年。弊社の主力製品「I.B.MUSUEM」も初年度から展開しており、発売数年間で築いた50館ほどの導入実績が、その後の事業の礎となりました。なお、大変ありがたいことに、四半世紀経った今もお付き合いくださっているお客様がいらっしゃいます。

当時、まだ若手銀行員だった私は、もちろん電卓で計算した数字を鉛筆で書き込む毎日を送っていました。初めて携帯電話を手にしたのはこの数年後、さらにWindows95の大ブームに押されてノートパソコンを自腹で購入。90年代後半は、Excelの操作を覚え、日に日に上達していくのが楽しみな時代でした。

2000年代半ばに弊社代表に就任してからは、全国のミュージアムを駆け回りながらExcelやPowerPointと格闘する日々。銀行時代の資料づくりとはまったく勝手が異なるものの、それなりにサマになってきたかな…と思っていた矢先、小学校高学年だった長女の授業参観で小学生たちがPowerPointを使いこなしているのを見て仰天しました。家に帰れば、低学年の長男が膝の上のiPadで攻略法を検索しながらゲームを楽しんでいます。また、2010年にクラウド型システムの〈I.B.MUSEUM SaaS〉のサービスを開始した頃には、70歳前後の叔母がインターネットで辿り着いた弊社のサイトを熟読していると聞いて、社会全体のネットリテラシーが急速に変化し始めたことを強く認識しました。

この頃、ミュージアムのデジタル活用は、館によってまったく事情が異なっていました。一部の先進館は収蔵品データベースどころか高精細画像や3Dデータなどの先進技術を使いこなす一方、銀行時代の私のように紙と格闘する館が多数を占めていました。また、インターネット上での情報公開に関しては、特に美術館で「来館者数が減ってしまうのでは」と危惧する声が少なくないなど、他業界と比べてもデジタルシフトはゆっくりとしたペースで進んでいました。

体感的に変化の兆しが見えてきたのは、2010年代の半ばくらいでしょうか。SNSが完全に定着し、来館者の方々がスマートフォン持参になってきたことを受けて、弊社では展示ガイドアプリ『ポケット学芸員』のサービスを開始しましたが、ミュージアムの皆様からの反応が非常に好評だったのです。2016年のリリース後、2019年にはBluetooth経由のワイヤレスイヤホンに対応するアップデートを行い、現在では導入館が150館を超えるサービスへと成長しています。

通勤途上で聞く音楽はiPhoneでサブスクリプション利用、会社の経理は会計ソフトと法人インターネットバンキングのデータ連携。個人的にも公私にわたってクラウドライフを満喫中の昨今ですが、サービスを提供する側の立場としても、お届けしたい機能が頭の中で列を成しているような状態です。いまや80代の寄贈者がご子息との相談をLINEで行う時代ですから、DX社会のスピード感に遅れるわけには参りません。

現在、I.B.MUSEUM SaaSはUIを一新すべく準備中ですが、並行して以降の機能改善・改修を実施しやすいようプログラムの見直しを行っています。リニューアル後もさらなる進化を続けて参りますので、31年目以降も引き続きご指導ご鞭撻のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。