ミュージアムリサーチャー

ミュージアムレポート

現代のミュージアムをマイペースな眼で調査・体験するミュージアム・リサーチャー。初回は、アートドキュメンテーション学会(JADS)主催の入間市博物館(埼玉県)見学会へ行ってまいりました。狭山茶の生産は狭山市よりも入間市の方が多いってご存知でしたか?入間市博物館は市の特産品である「お茶」にスポットを当てたミュージアムです。

 

●ALIT(アリット)入間市博物館
入間市博物館は「ALIT(アリット)」というちょっとおしゃれな愛称を持っています。これらの頭文字は入間市博物館を象徴する四文字です。

 

●バックヤード見学
きれいに整理された文書室を見て、「文書館的機能」を銘打つのも納得。昭和53年度から始まった市史編纂事業を通じて、行政文書、諸家文書、地域文献、古地図など多くの資料が集められたそうです。これらの資料は計画的・ 継続的な修復作業がなされており、出版物も続々発行しているそうです。
また来館者向けの情報センターも見学してきました。5万件近い収蔵品のデータベースや、クイズ、地域の映像資料の閲覧が可能です。またお茶関連の蔵書も手に取ることができます。

 

●身近な「お茶」の展示 
常設展の多くは「お茶」という身近なテーマ。一緒に展示を見た初対面の学会の方とも(おそらくすごく偉い方なのでしょうが)「バター茶って飲んだ事ありますよ」「展示されてるお茶菓子がおいしそう」「茶器ってかわいいですね」など和やかな話がはずみます。


●地域に根付いた活動 

その他にも地域に根付いた活動に積極的です。
お茶文化の理解を深める企画展の定期的な開催と資料収集。茶葉データベース。「茶の花会」という市民ボランティアなどの呼びかけ。「ALITお茶大学」と銘打ったセミナーや体験講座などの活動。特に「ALITお茶大学」は定員を超える盛況ぶりだそうです。
見学会の最後には、館の学芸員さんからのおいしいお茶をいただきました。さすがおもてなし上手!お茶への興味もさることながら、こういった心遣いがリピータを増やしているのかもしれませんね。

 

入間市博物館
〒358-0015
埼玉県入間市二本木百番地
http://www.alit.city.iruma.saitama.jp/

アート・ドキュメンテーション学会(JADS)
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jads/