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クラウド型収蔵品管理システムI.B.MUSEUM SaaS

館内展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」 全国のミュージアムで導入が始まりました

4月15日にサービスを開始した展示ガイドアプリ「ポケット学芸員」。同月中に24館での導入が決定するなど、早くも大きな反響をいただいております。

「ポケット学芸員」は、博物館クラウド<I.B.MUSEUM SaaS>の一機能。システム内に登録済み、あるいは新規で登録したテキストや画像、音声や動画といったデータを、来館者のスマートフォンに配信。自由に、そして簡単に館内案内サービスを実現できる機能です。

各地で順次運用が始まっており、ミュージアムのWEBサイトやFacebook、およびニュースサイトなどでも取り上げられておりますが、今回はいち早く音声ガイドとしての利用を始められた市川市東山魁夷記念館様のサービスの様子を取材してきました。

東山魁夷画伯の人となりや生涯にも触れることができる貴重な施設だけに、音声での解説は非常に有効。その素晴らしい作品の数々をよりディープに味わえるとあって、来館者の皆様からもきっと高い評価を受けるはず。裏面では、実際の利用シーンをご紹介しましょう。

さっそく導入された市川市東山魁夷記念館での「ポケット学芸員」体験。
手前みそですが、想像以上に「学芸員のチカラ」を実感できました。

これは弊社の予想よりずっと「いいね!」なのでは… ポケット学芸員 体験取材プチレポート

学芸員さんご本人のナレーションが!
声を聞いていると、文字で読むより自然に理解できます

館内1階は、東山画伯ゆかりの品がずらり。中でも、並んでいた青系の絵具の数には驚かされます。自然に作品世界へと誘われる効果的な演出に、期待が高まります。

「ポケット学芸員」は、展示物などに付いたガイド番号を入力すると、それに対応するデータが配信される仕組み。番号を見つけたので早速「ポケット学芸員」を起動すると、絵具を詳しく解説してくれるナレーションが。藍銅鉱や孔雀石などの鉱石を砕いたものだそうですが、青系だけなのに何と55色も(!)。これを使い分け、丹念に重ねることで「青の画家」が生まれたとのこと。

文字による解説だけでは理解が難しい情報も、ナレーション付きだとスンナリ頭に入ってきます。難読字も読み方が自然に理解できますし、ゆったりと優しい声で癒し効果(?)も。ちなみに、この音声は学芸員さんご本人の手作りなのだそうです。

作品の前に立って解説を聞く…贅沢です!
音が漏れないので周囲の迷惑にもなりません

基礎知識を学んだら、いよいよ作品が展示されている2階へと上がります。ここでも、もちろん「ポケット学芸員」の解説スポットが。ひとしきり作品を眺めた後、解説に耳を傾けます。

「緑響く」という作品は、実は一度所在不明になり、再度制作されたものとか。モーツアルトのピアノ協奏曲第23番第2楽章のイメージから生まれた作品ということです。作品のストーリーが語られるのはテレビ番組などでもおなじみですが、細部まで確認できる「実物の前」ですので、感動も段違い。学芸員のギャラリートークに参加できない場合などは、まさにそれを補完できるサービスと実感しました。

「学芸員のチカラ」がしっかり伝わっていることに満足し、そのままほかの来館者の皆様に交じって作品鑑賞タイムに。なお、通常の通話と同様に聞いている音声が漏れないので、イヤホンがない時も大丈夫ということを確認できたのも収穫でした。

既存の音声データを使用して、意外と簡単に導入できました
市川市東山魁夷記念館 学芸員 林 奈緒美 様

当館では、既に音声ガイドの端末貸出を行っています。ギャラリートークは大変好評ですが全ての来館者に対しては実施できないので、それに近いサービスを提供できるようにと、音声ガイドの原稿作成から録音・編集まで手作りしています。

「ポケット学芸員」は、既存のその音声データを使用しましたので、簡単に導入できました。また、資料登録していない展覧会テーマなどの音声登録は、音声ガイド用の大分類を新たに作成することで解決しました。今後は、音声ガイドだけでなく解説そのものを更に充実させていきたいと思います。

当館では、貸出端末と「ポケット学芸員」を併用していますが、手持ちのスマホが多数の館のガイドになるのは、魅力的です。これから利用できる館が増えていくのが楽しみです。