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わせだマンのよりみち日記

2019.10.20

見た瞬間に惹きつけるランドマークとしての役割~浦添市美術館

東南アジアの仏教寺院か、イスラムとヨーロッパが混在するスペイン・アンダルシア地方のモスクか。そんな宗教的なパワーをまとっているようにさえ見える強烈な個性を放つ外観に、しばらくその場でフリーズしてしまいました。「異彩を放つ」とは、まさにこのことですね。

この建物、実は日本のミュージアム。沖縄県の浦添市美術館です。

東京に戻るまで、ずっとこの映像が頭に残っていました。何とも強烈なインパクトの光景で得たインスピレーションを、絵にすることができたら…ということでチャレンジしてみました。素直に描いてみると、ひとまずまとまりはしたような気もするのですが、自分の印象をカタチにするには、やはりもっと技術を磨かないといけませんね。

さて、「塔と回廊による構造」がテーマの建物を設計したのは、高円宮邸や世田谷美術館などでも有名な建築家、故・内井昭蔵氏とのこと。地元では、家族でドライブ中に国道330号線から見えるこの塔を見つけ、美術館に興味を持つ子もいるそうで、まさにランドマークの役割を果たしているわけです。

外観とは裏腹に、内部は美術館に向いた造りといった趣。各展示室はさほど大きくはありませんが、それがむしろ「ほどよい間」を与えてくれるような印象で、疲れることなく鑑賞できたように思います。塔の真下にあたるこちらの展示室も、独特の雰囲気を醸していますね。

訪問先の美術館でスケッチブックを購入したのをきっかけに、「30分スケッチ」を思い立って約1年。ミュージアムの建築は個性いっぱいでスケッチのしがいがあります。

出張先では「その30分も惜しい」という日が多く、ここまで10枚ほどしか完成していないのですが、描くたびに充足感を覚えます。「ミュージアムのある風景」の素晴らしさを短時間で表現できる画力を身に付けられればよいのですが、その鍛練にも時間を要しますし。

忙しいのは嬉しいことですが、毎日のように「もう少し時間が欲しいなあ」と呟く今日この頃。でも、時間ができたらできたで、きっと「せっかくだからもう1館訪ねよう」となるんだろうなあ。


浦添市美術館 http://museum.city.urasoe.lg.jp/