ミュージアムIT ケーススタディ

ミュージアムレポート


https://higashikawa-bunnkazai-archive.jp/

  • 提供機関 : 北海道東川町
  • 使用システム : I.B.MUSEUM SaaS+オリジナルウェブサイト
  • 狙いと特徴 : 洗練されたデザインとWeb-API連携による充実したデータベース

「写真の町」として活気あふれる北海道東川町。
個性豊かな文化資源のデジタルアーカイブが実現。

まちの姿勢を映し出す文化資源情報源

「写真の町」として知られる東川町は、北海道のほぼ中央、大雪山連峰・旭岳の麓に位置する町。雄大な自然とおいしい地下水に恵まれた環境で推進するさまざまな取り組みが功を奏し、人口増のまちとしても注目を浴びています。公開されたデジタルアーカイブにも、勢いある自治体の横顔が映し出されています。

プロダクトデザインから彫刻・絵画まで

公開中のコンテンツは、まちの顔でもある「大雪山アーカイブス」のほか、デザイナーズチェアを中心とする「織田コレクション」の存在が際立っています。彫刻や絵画作品も充実するなど地域デジタルアーカイブとしては異彩を放ちますが、実はWebサイトの造り自体にも先進的な試みが息づいています。

地域特性を的確に捉えたアート志向のデザインで
「Web-API機能」の出力情報を直接コンテンツ化。

中身の個性に合わせた美しいデザイン

郷土資料に加えてプロダクトデザイン、彫刻、絵画などが充実する本デジタルアーカイブは、自治体としてはやや「アート志向」と言えるでしょう。デザインも優れており、欧米の美術館サイトのような美しさ。画像が大きめに表示されるレイアウトですが、特に椅子や絵画などの写真は撮影にもこだわりが。ズラリと並ぶトップページは、まさに壮観です。

デジタルアーカイブとして横断的に検索できる機能を確保しつつ、資料群ごとに個別のページを設けて特徴を分かりやすく紹介するなど、まちを知らない人でも町内の文化財の特徴がすぐに理解できるよう工夫されています。ボンヤリと眺めているだけでまちの魅力が伝わってくるので、ぜひご覧ください。

Web-APIでデザインと運用性を両立

このWebサイトは、実は地元業者が構築したもの。データベースシステムは「I.B.MUSEUM SaaS」を利用していますが、同システムの公開機能は使用しておらず、新機能「Web-API」の出力データをサイト側で取得して表示する仕組みが採用されています。これにより、コンテンツの編集をシステム上で直接行うという利便性はそのままに、オリジナルサイトとしての自由な表現が可能となったのです。

システム導入からサイト構築・公開まで、わずか数か月。スピード公開を実現した本サイトですが、今後はデータがさらに拡充されていくことでしょう。新たな試みに次々と挑むまちの姿勢と勢いをそのまま反映する好事例と言えます。

まとめ

オリジナルデザインのデジタルアーカイブサイトも
Web-API機能を使えば、運用の負担は軽く済みます。