ミュージアムIT ケーススタディ

ミュージアムレポート


https://www.nerima-archives.jp/

  • 提供機関 : 東京都練馬区
  • 使用システム : I.B.MUSEUM SaaS+オリジナルウェブサイト
  • 狙いと特徴 : 写真の一部をオープンデータとして提供

 

多彩な切り口からコンテンツを提供しつつ、
オープンデータで情報の利活用を促進。

多彩な情報をわかりやすく整理

貴重な戦前のショットを含め、練馬区が所蔵する約2万点の写真や区政に関する資料を公開するWebサイト。探したい資料が明確な方はもちろん、特に目的がなくても気軽に楽しめる「データの入口」が数多く用意されており、ネット上での知的探訪を満喫できる仕上がり。自治体のデジタルアーカイブとしては出色の出来と言えるでしょう。

探しやすい写真ページとオープンデータ

昔懐かしい暮らしの風景から、大きく変貌を遂げた現在の様子まで。充実のデータベースのもと、テーマや地域、年代からワンクリックで目的の写真を探し当てることができるよう配慮されています。また、特に閲覧希望の多い一部の写真は、出版物などにも申請手続き不要で使えるオープンデータとして公開中。積極的に利活用を促す試みが展開されています。

ブックページャーやエピソードのページで、
利用者の誰もが楽しめるデジタルアーカイブへ。

地元の歴史を楽しめる充実したページ

デジタル化された練馬区の発行物を自由に閲覧できる「区の資料」は、区史を中心に情報量は極めて充実。この種のコンテンツは、一見、少し地味に見えるものですが、ブックページャー形式で公開することで「読み進める」楽しみを演出しています。

また、特にご注目いただきたいのが、エピソードのページです。昭和53年4月から一年間にわたって練馬区報に連載された『ねりまの伝説』では、土地にまつわる貴重な言い伝えを収録。また、やはり連載記事として発表された『ねりま歳事記』では、四季折々の風景とともに、この地に伝わる季節の行事などがまとめられており、地元文化の学習に最適です。

探す、使う、楽しむデジタルアーカイブ

さて、デジタルアーカイブと言えば調査や研究が目的と思われがちですが、工夫次第で楽しいコンテンツとなり得ます。その恒例が、従来の目的だけに縛られず、親しみやすいデザインと「今日はなんの日?」で興味を惹くことに成功している『練馬わがまち資料館』。見せ方で盛り上げるほか、オープンデータの利用促進に関する仕掛けまで施されており、まさに充実したコンテンツとなりました。こうした提案性は、サイト閲覧者の間口を広げるだけでなく、サイトの滞留時間の長期化にも役立つなど、意外な付帯効果をもたらします。

完成度の高い「全方位型デジタルアーカイブ」の見本とも言えるクオリティ。多くの自治体が参考にできるモデルケースとなりそうです。

まとめ

デジタルアーカイブを調べて、楽しんで、活用する。
幅広い用途を提供することで、効果を無理なく最大化。