ミュージアムIT ケーススタディ

ミュージアムレポート


https://websites.jmapps.ne.jp/mocoor/

提供機関 : 大阪市立東洋陶磁美術館
使用システム : I.B.MUSEUM SaaS+オリジナルウェブサイト
狙いと特徴 : 美しさにこだわりぬいた画像とオープンデータの取り組み


細部にこだわって撮影した高精細な作品写真を
自由にダウンロードできるウェブサイトが完成。

美術作品のオープンデータサイト

大阪市立東洋陶磁美術館では、2014年度より収蔵品管理とホームページでの収蔵品情報公開を目的に<I.B.MUSEUM SaaS>を導入し、デジタルアーカイブの基盤を整備してきました。これに伴って館蔵品画像のデジタル化も推進しており、オープンデータ化に向けた準備も順調に進行。今回は、これらの取り組みの成果として、専用のウェブサイトでの公開が実現しました。

ショーウィンドウのようなトップページ

サイトをひと目見ただけで、写真の美しさにお気づきのはず。豊富な階調や色彩の表現が可能な撮影機材により撮影された高精細・高解像度の画像の数々は、当デジタルアーカイブの大きな特徴です。専用のトップページは、まさに行き交う人々の目を留めるショーウィンドウの役割そのもの。研究や愛好家はもちろん、一般の閲覧者やメディア関係者も思わずハッとするであろう美しさです。

日本では事例の少ないオープンデータ化を実現!
Web-APIの活用で、持続可能性の高さも確保。

自由に利活用できるオープンデータとして

サイトトップもデータベースも、日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語に対応。作品の解説までしっかりと多言語で発信しています。

それだけでなく、当データベースの最大の特徴は、Googleドライブから高精細写真をダウンロードでき、規約の範囲内であれば個人的利用・教育研究利用から商業利用、複製・再配布まで可能としている点。申請なしに自由に使えるのは、我が国の美術館では極めて事例の少ない先進的な取り組みと言えます。

公開されているのは国宝2件、重要文化財13件を含む23件の作品。美しさにこだわりぬいた写真のオープンデータ化が実現したことにより、サイト全体の発信力の倍増が期待されています。

Web-API公開機能で高い更新性を実現

サイトトップにタイル状に並ぶ作品サムネイル画像は、<I.B.MUSEUM SaaS>のWeb-APIから取得したもの。データベース上で所定の操作を行うと、サイト側にも自動的に反映される仕組みとなっています。

同館では、オープンデータとして提供するコンテンツを今後も増やしていくご意向をお持ちの様子。最小限の負担でコンテンツの更新・拡充が可能な業務フローは、より充実した情報発信に向けて大きな助けとなることでしょう。

また、国の分野横断ポータルである「ジャパンサーチ」との連携も予定。将来的にはさらに幅広い発信・利活用の促進を目指すとのことですので、今後の展開が楽しみです。

まとめ

美しさにこだわりぬいた高精細画像をオープンデータ化。
積極的に利活用を促進することで、館のPR効果も期待。