代表ブログ

わせだマンのよりみち日記

2023.02.25

ミュージアムショップで出会ったバッグの進言

#雑記帳

ミュージアム関係者ならご覧になった方も多いのではないでしょうか。先日、とあるテレビ番組でミュージアムグッズ収集家が紹介されていました。あの方ほどではありませんが、私も訪問先のミュージアムでは館内のショップに立ち寄ることが多く、実際にトートバッグや一筆箋など各地で購入したお土産がたまってきました。ミュージアムショップって、その館や土地の個性を強く反映したグッズが多くて、眺めるだけで楽しいんですよね。

この日は、2日間にわたる北陸への出張取材の初日。まずは、富山県の高志の国文学館様にお邪魔しました。弊社ホームページで18年にわたって続く「ミュージアム・インタビュー」の取材を終え、展示見学も堪能させていただいた後、やはりミュージアムショップへ。その場で小ぶりのバッグを購入しました。こうした出張の場合、最初の訪問先でモノを買うとずっと持ち歩くことになるので、泣く泣く諦めて次回訪問時に狙うのがセオリー。ところが、今回はなぜか一目ぼれ状態で、レジへと直行しました。自分でも驚くほど、少しの躊躇もなく。

ちょっと外に出るだけなら、財布やスマートフォンが入る程度の小さなバッグがあればよいのですよね。でも、私はこんな仕事に就いている割に根がアナログ大好き人間で、手帳や本なども持ち歩きたいタイプ。メッセンジャーバッグやリュックだと大きすぎ、ちょうどよいサイズのものを探していたところだったのです。

黒のキャンバス地のシンプルなデザインですが、見た瞬間に思わず声が出そうになったほどイメージそのまま。会計の際、ショップの方に「これは富山のかばん屋さんのお品ですか?」と訊ねたところ、実は東京のお店の製品なのだとか。創業者が富山の方ということで、そのご縁もあってミュージアムショップで販売しているそうです。お店を出て、さっそく財布やスマホ、手帖と打ち合わせ用のノートなどをセットアップ。これがもうピッタリで、すぐに写真を撮って家族全員に送信してしまいました。

買ってすぐ荷物を入れて、そのまま次の訪問先へ。横にあるペットボトルで「ちょうどよい」サイズ感がお分かりかと。

そのままバッグを使うことにして、次の訪問先の富山県水墨美術館様へと移動。事務室に入ると、職員の方から驚きの声が。「あ~、月光荘のバッグだ! いいですよね、それ。私も持っているんですよ」とご自身のバッグを見せてくださいました。こちらは、実は初めての訪問だったのですが、おかげでリラックスしてお話しすることができました。

ところが、翌日の訪問先でお会いした学芸員の方も、このバッグをご存じとのこと。え、これ有名なの? 調べてみると画材屋さんでしたが、言われてみれば聞き覚えがあるような。しばらくすると、バッグにも既視感があるように思えてきます。

月光荘、ゲッコウソウ、GEKKOSO。帰りの電車でもずっと気になっていたのですが、帰宅すると疑問はすぐに解決しました。このブランドのスケッチブックが自宅にあったのです。

このところの忙しさですっかりご無沙汰していたのですが、少し前までは、出張先で目に留まった風景を撮ったスマホ写真の中から選んで絵に描いてみるのが休日の楽しみのひとつでした。絵は特に習ったわけではなく、ボールペンと色鉛筆を気ままに使うまったくの我流。最後に描いたのはもう1年以上も前でしょうか。

今回購入した月光荘のバッグと、以前から持っていたスケッチブック。見覚えがあったのは、両者のホルンのアイコンでした。

購入したバッグと、使っていたスケッチブックが同じお店のものだったとは。試しにスケッチブックをバッグに入れてみると、確かにとてもよく馴染みます。いつもの自分ルールを崩してまで購入したのは、やはり偶然ではなかった? 今回の出張ではコミュニケーションツールとしても大いに貢献してくれたバッグは、「もちろん。たまに仕事を離れて、このスケッチブックと一緒にどこかへ出かけてみては?」と澄ました顔をしています。

はじめから決められていたシナリオのような展開となった、今回の邂逅。では、彼の進言にしたがってスケッチに出かける日に備えて、次の出張からは、またたっぷりスマホ写真を撮ってくることにしましょう。お絵描き再開のために。

今、スケッチブックの最終ページを飾っているのは姫路市立美術館の外観。さて、次はどこにしましょうか。

 


 

高志の国文学館 https://www.koshibun.jp/

高志の国文学館|ショップ https://www.koshibun.jp/shop

富山県水墨美術館 https://www.pref.toyama.jp/1738/miryokukankou/bunka/bunkazai/3044/